中学受験の加熱化の背景はいろいろあるのですが、その中でご父母の中に広がっているのが、「非正規雇用」に関する心配です。
中学受験をさせようと思っておられるご家庭は経済的にはある程度の見込みがあって私立に行かせようと思っておられるわけですが、子どもの代になってそれが維持できるかどうかは、やはり子どもの力にかかっているところはある。
だったら、やはり教育投資をした方が良い、ということで中学受験をさせるご家庭が増えているということなのでしょう。
それ自体はその通りだと思うのですが、ただ、それが長期にわたって中学受験準備をすることとつながってはいけないだろうと思っています。
最近聞いたところによれば、最近大手企業に入ってくる新入社員の英語力というのは、もう全然違うのだそうです。昭和に比べれば雲泥の差。だから単に良い大学を出ただけではなく、そこにプラスアルファーが出てこないといけない。
しかし、それはむしろ小さいころからスポーツをやっていたり、音楽をやっていたり、自分の好きなことに打ち込んだところが反映されているところが大きいと思うのです。ただ入試に合格するだけではなくて、その後に伸ばせるいろいろな力を小さい時に育んでおくことが大事で、だから小学校2年生から中学受験の塾には通うべきではない、と思っているのです。
勉強すること自体は別に良いと思うのですが、塾に行けば基本、競争させられるし、それに親が踊らされてしまうとやはり成績を上げようとしていろいろな無理がスタートする。そういう無理は本来、本人も覚悟があり、かつ短時間で済ませられるものでなければいけないのです。
あまりに受験勉強が長いのであれば、むしろ高校受験の方が良くはないか?という議論も出てきました。
本来子どもたちは学ぶべきものを学ぶべき時に学べばよいので、いたずらに飛び級させる必要はありません。