受験校か、付属校か

志望校を考えていくときにまず最初の分かれ道がここでしょう。

受験校は大学受験をする学校、付属校はそのまま系列の大学に進学する学校のことですが、これはそれぞれにメリット、デメリットがあります。

大学受験は確かに大変ですが、自分の志望する大学を自由に受けられるという点はメリットです。一方付属校にした場合、自分の行きたい学部が系列の大学にない場合がありますから、大学受験をした方が選択肢は増えます。

一方付属校のメリットは、中高6年間、大学受験勉強にとらわれずに自分のやりたいことができます。

クラブ活動にしても、勉強にしても自分でやってみたいことを幅広く挑戦することができます。

受験校の場合、遅くとも高校2年の秋の「新人戦」で引退、ということが多くなりますが、付属校の場合は最後までしっかり部活に取り組むことができるので、大学に進んでもその部活を続けると言う子が多くなります。

現在は、大学受験制度が不透明なのと、私立大学の定員厳守の流れから付属校の人気が高まっています。

これまで医学部の人気が高かったのですが、AIやIT技術の進展により、もっと違う技量を身につけた方が良い、と考えられてきているのも要因のひとつです。

例えば国公立大学の医学部の合格者を過去3年間のランキングにした表で見ると、ベスト10は
1位 東海 2位 ラ・サール 3位 洛南 4位 灘 5位 久留米大付設 6位 開成 7位 東大寺 8位 愛光 9 甲陽学院 10 四天王寺

となって実は関東の学校は開成しかいません。国公立大学の医学部が関東には少なく、関西や東海圏に多いことも一因ですが、さらに首都圏ではいろいろな分野の就職があり得る。一方関西中心の会社はそれほどメジャーにはならないところもあって、医学部の人気が西高東低になる傾向にあるのです。

となると、別に大学受験をしなくとも、早くから自分の好きな分野を究めていける方が良い、と考えるのも道理になってくる。

特に少子化が進み、人材不足は明確ですから、これからの子どもたちは別に学歴がどうのこうの、というよりもその人材の持つ資質の方に目がいくでしょう。案外中学高校とプログラミングばかりやってきた、というような子が必要とされるような時代になってくるかもしれないのです。

ただ、先にお話しした通り、付属校には学部の限界があります。進みたい学部が自大学にないケースは十分に考えられるので、だから受験校を選ぶというのもひとつの選択ではあるのです。

一方早稲田や慶應にある特定の大学に入れたい、と考えるのではあれば付属校を選択して良いかと思います。

得てして大学付属に入ると遊んでしまう、と考えられる方が多いのですが、そういうわけにはいきません。むしろ大学付属は大学に推薦させるために進級を厳しく管理するところがあります。例えば慶應の場合、中1から留年があり得る。そして同じ学年は2年間しかいられません。その場合は退学しなければならないので、それなりにプレッシャーはかかるようにできています。進級に関して言えば概ね受験校の方がゆるいでしょう。

だから、決して遊んでしまうというわけにはいかないのです。どちらが我が家にとってはいいか、どちらが我が子にとっていいか、をまずはじっくりと考えてみてください。