メールマガジン「中学受験 田中貴.com通信」のご案内

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2025年2月より、メールマガジンがhtml化されます。
お父さん、お母さんの悩みをいかに解決していくか、その方法を田中貴がお話します。

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田中 貴(たなかたかし)
東京教育大付属駒場中・高を経て、慶応義塾大学経済学部卒業。元修学社(学習指導会)社長。退任後複数の塾のプロデュースを担当。
フリーダムオンライン 主宰。

過去問2ステップ学習法

過去問の勉強が進んでいると思いますが、特に算数についてはこんなやり方もあります。

まず、時間を計って解く。

この時は、難しい問題は避ける。つまり自分が解けそうだ、と思う問題を先行させる。難しい問題は後回しにして、正確にていねいに解き、時間以内にできる限り点数をとるようにします。

次に答え合わせ。

自分が手を付けた問題は、基本的に○でなければいけない。

ただ、そう簡単にはいかないので、ミスが出ているでしょう。そのミスの原因をまずしっかり反省する。どうして、そういう勘違いをしたのか。計算間違いはなぜ起きたのか。

ミスをした以上、それを防ぐ方法を考えます。具体的に、計算を見直すとか、問題の条件に線を引くとか、まあ、そういった具体的な方法を考えて、これもノートに書いておき、次にやるときは実行するようにします。

その次に今度はできなかった問題を、時間を気にせずに解く。

解いてみると、「なんだ、簡単だった。」という場合があるかもしれません。

しかし、問題を解いている際にはそうは思わなかった。逆に言えば、それに手を付けていれば、もっと点数が取れたかもしれない。

逆に、解説を読んでみても、やはりよくわからない、という問題があるかもしれません。この場合は、深追いはしない。

むしろそれに時間を使わなかったことが正しかった、ということなので、それはそれで良し、としてください。

これを繰り返すと、

1 自分が取れる問題を確実に得点する練習

2 自分が取れる問題だと判断する練習

の2つができることになります。

入試においてはこの2つがしっかりすることが大事。みんなができなかった問題はできなくても大きな問題ではないが、みんなができる問題を落とすと合格ラインから遠ざかってしまいます。これは模擬試験も同じようにやっていくと良いでしょう。

模擬試験の本番では、とにかくできる限り自分が取れる問題に集中する。手をつけない問題はあってもいい。

その代わり帰ってきたら、しっかりすべての問題に時間をかけてみる。でも「これはなかなかできないな」という問題があれば、それはもう放置してかまいません。

放置する、という経験が自分が取れる問題だと判断できる根拠になっていくわけです。後でじっくりやり直すことで、できる範囲は確実に広がっていきますから、試験後のやり直しの時間を大切にしてください。

あてはめ作文

フリーダムのWEBワークスの5年国語の問題には、「当てはめ作文」があります。

これは、文章の要約を表した文章の中に空欄があり、それを文中の言葉で埋める、という問題なのですが、やってみるとそう簡単ではない。

子どもたちもテキストをひっくり返しながら、いろいろ言葉を見つけては文字数に合わせて当てはめています。

この目的は、文中のキーワードを探す練習をする、ということです。

国語の問題というのは、文章があって作題者がその文章を根拠に問題を作ります。したがって文中にこう書かれているから答えはアというような論理が成り立っているわけで、文中のキーワードに対する感覚を強めなければ、答えが見つからない。

で、この作業をすることによって次第に、文章の中でポイントとなる部分が目につき始め、キーワードを絞りやすくなってくる。それと同時に、文章の趣旨が頭の中に整理されてくるので、この作業の後に問題を解くと、正解率がかなり高くなってきます。

文章読解の能力を上げるためにはいくつかの能力を複合的に高めていく必要がありますが、この練習も大事な要素の一つです。

締め切りを変えられるメリット

どの塾でも、カリキュラムは決まっていて、そのカリキュラムに併せて昇降テストや組み分けテストがやってきます。

しかし、どの子も同じように進めるわけでは実はない。その週忙しいことはあるかもしれないし、またまだよくわかっていない、という場合もあるでしょう。しかし、そういうのは基本的に許されない、締め切りがあるわけだから、まあ、有無を言わせず試験は受けなければなりません。

試験を受けなければいけないのは仕方がないとしても、それでクラスが昇降するとやはり子どものモチベーションにも問題が出てくる。だから、クラス落ちを避けるためにテストを受けない、という子もたまにいるそうですが、しかし、そう何回もは許されない仕組みになっているそうです。

フリーダムは毎週カリキュラムが決まっていて、4回に1回月例テストがやってくるように出来ています。しかし、そのペースは勉強の進み具合によって違ってきます。

で、スタディールーム、スタディールームオンラインとも個別に進むから、先に進むこともできるし、後から受けることもできる。

5年生から海外でスタートした子は、半年遅れで月例テストを提出したこともありました。しかし、大事なことは、わかってからテストを受ける、ということで、別にフリーダムの場合は昇降がないから、それでも構わない。

納得してから、テストを受ければそれなりに点数も良くなるし、わかった、ということが納得できるので、それはそれでも良いわけです。

今の子どもたちの様子を見ていると、算数が好きで、算数だけばく進している子。逆に算数だけ、ゆっくり進んでいる子もいます。

またシステムで勉強するのが気に入って、先までどんどん進んでいる子もいます。

別に早く終わる必要はないが、無理して遅くする必要もない。簡単だと思うところは進み、大変だと思うところはゆっくりやれば良いのです。

例えば、終わらない課題については、空いている曜日を使って自分で勉強する。それでもわからなければ次の授業のときに聞けば良いので、その調整も学習管理者と相談すればいい。

子どもたちも自分の次の課題をどこで、どう実行するのかがわかるので、その週の過ごし方を決めやすい。

最終的に入試に間に合えば良いので、習い事や学校行事などとも併せて勉強を進めて欲しいと思います。

5年で基礎を固めて自走できる力を手に入れる。

中学受験は小学生の受験なので、どうしても「やらされる」面が少なくありません。

やらされると、なかなか前に進まない。勉強するはずの時間がゲームの時間になったり、youtubeの時間になったりしがちです。

しかし一方で受験後半、多くの子どもたちが自分で勉強して目標に向かうのも事実。お尻に火が付く、というわけではないでしょうが、やはり子どもたちだって合格したいのです。

ですから、最初から戦わせるのではなく、自分で勉強する下地を作っていくことが大事。5年生のうちはしっかり基礎を固めて、そして自走できる力を身に付けていけば、目標が定まったところで自分で力を伸ばしていくことができます。

フリーダムのWEBワークスは、動画授業も見放題。問題も十分に用意されていますが、毎回のカリキュラムの問題をしっかりやり切れれば、5年生のうちはおしまいにできるように作られています。

受験勉強はきりがない。きりがないから、子どもたちにとっては「いやな存在」になりがち。しかし終りがしっかり見えていれば、自分でちゃんとやりきれるのです。

わからないところを解決する仕組みを用意する

子どもたちが受験勉強を続けていくと、だんだんいろいろなことがわかり、いろいろなことができるようになってくるわけですが、一方で相変わらずわからない、とかできない、ということも増えてきます。

で、最後、こういうところをどうつめていくか、ということが成績を伸ばすポイントになるのです。

できることはまあ、できることが多い。しかし、できないことは相変わらずできないから、できる子に比べればそこで点数を落とすことになる。

ところが、勉強のシステムの中で、子供たちが「できないところをできるようにしていくプロセス」が、明確になっていない場合が多いのです。

授業を受けて、復習して、テストを受けて、できないところが明確になって、まではわかるが、それを誰に教えてもらうのか?ぐずぐずしていると、次の週の内容が始まってしまう。だからそこで先生に聞く、という過程が必要になる。

しかし、それが集合塾ではうまくいかないかもしれない。

質問はできるけど、並ぶから…とか。それで個別指導をつける、みたいなことになるとまた塾が増えてしまう。フリーダムの個別ワークスはそれを解決するために、先生が横で待機しているわけです。実際に動画や演習を通して自分で勉強することはできるが、しかし、わからないところは子どもによって違うわけで、それは先生が対応した方が早い。

わからないところが明確になれば、そこをしっかり理解してもらうことで、確実に学力は上がっていくものです。

今のうちに、わからないところをどう解決するのか、そのプロセスをしっかり組み込んでください。

グリーンに変わって自信を深める

学校別バインダーに取り組んでいる子の蜘蛛の巣グラフは問題をクリアするごとに変わってきます。

「あれ、平面図形の標準がグリーンに変わってきたねえ」

というと、やはり子どもたちはうれしそうです。実際にグラフが変わってきて、自分でも力がついてきた実感があるからでしょう。

何をどこまでやればいいのか、蜘蛛の巣グラフが教えてくれるので、指導する方も問題を選ぶのに苦労することはありません。

どんどん自分で取り組んでいけるところでもあるので、まずは手応えが感じられるまでがんばってもらいたいと思います。

全部の動画授業を見られる理由

フリーダムの6年生は5年生からの動画授業、システム学習をすべて使うことができます。

システム学習は、ある時期だけしか見られないところもありますが、フリーダムは全部見られるようにしています。

それはやはり振り返りが大事だと思うから。

流れによっては、このテーマの基礎が完全にわかっていなかった、ということもあるし、忘れた、ということも当然ある。

だから、振り返られるようにシステムができているのです。

したがっていつスタートしても、いろいろな学習を自分のペースで進めることができる。

で、入試までに間に合わせれば良いのだから、別に塾の組み分けに間に合わせなくても良いのです。

ここが精神的には非常に大事なポイント。

では,遅くなるか、と言えば、そんなことはない。やはり入試があるので、そこに向けて最後全員ピッチはあがっていきます。

合格までの課題を整理する

この時期から過去問をやらせてみて思うことでいえば、やはり結構できるようになっている、ということです。

合格点にたどり着くまでの課題というのが割とはっきり見えてくる。例えばある子は、2倍の時間をかければ、合格点にたどり着く。しかし、実際に摸擬試験で解いてみると当然半分も取れない。

つまり、いかに時間を短縮して考えられるようになるか、ということが課題になる。

ある子は、速さの問題がネックになっていたりする。速さの問題というのは大人が解いていても、いろいろな条件が出てくるので見落としやすい。実際に問題文を完全に理解できれば、すぐ解き始められるのだが、底に時間がかかるという場合もあるでしょう。

実際にそういう課題がはっきりすれば、すぐに学校別バインダーに入れる。

じゃあ、もう一度速さをやろう、とか。理科でも電気をやろうとか。

もちろん管理者がいた方が進みやすいが、これはお父さん、お母さんが力を貸してくれればできるだろうし、慣れてくれば自分で課題を見つけていける部分もあるでしょう。

まずはつぶすべき課題は何かを見つけ、それを対策していくことが算数や理科の力を伸ばす上では大事なことです。学校別対策を意識した勉強をしっかり進めていきましょう。

2年間で終えられる最大の理由

元々中学受験の範囲は学校で言えば中学2年程度までには及んでいます。

本来中学受験であれば、小学校で習ったことで勝負できればいいわけですが、それだとなかなか差がつかないので、小学生でも分かる、という範囲になっている。小学生でも分かるというのは、なかなかつかみどころがないので、どんどん範囲が広がってきたところがあるわけです。

それで塾は、「どこを受けても大丈夫なように鍛える」というような勉強の仕方をさせます。しかし、それは途方もない部分がある。だから多くの子どもたちが大変な思いをしているわけです。

では、どうやればシンプルにできるのか。

中学受験は独自入試です。

すべての学校が自分たちの入試問題を作る。

各校にはとりたい生徒像があり、必要だと思われる資質があるから、問題が学校ごとに違います。

レポートの多い学校は記述を出したいと思うだろうし、バランスの良い子がほしいと思う学校は、多くのテーマから少しずつ問題を出す。

結果としてそれぞれの学校に出題傾向が明確に出てくるのです。ならば学校別の傾向からある程度、やるべきことを絞ることができる。

そこでフリーダムでは「基礎を固めて、応用の枝葉は学校別傾向で伸ばす」という方法にしたのです。受験勉強は「合格するために」やるのだから、「出るものをやる」のが一番です。

逆に5年生の間はとにかく基礎をしっかり固める、ということに費やす。応用問題の練習は、過去問や学校別傾向の問題演習のところでしっかりやっていけばいい。それを考えられる基礎力をしっかり育てることが大事なのです。

捨てるものがあることは、効率を上げることになるのです。5年生のこの時期はカリキュラムに追われることが多いものですが、まずは基礎に特化していくことが大事ではないかと思います。

習い事やスポーツをやめたくない

いろいろな競技をやっている子どもたちも少なくないでしょう。またスポーツばかりではなく、音楽や芸能などいろいろな習い事をやっている子どもたちもいます。

しかし、近年中学受験の塾が早く始まるので、スポーツや習い事を早くにやめてしまう子どもたちが増えています。

本当はもっとやりたいだろうし、実際にこういう習い事やスポーツは自分の力を本番で出し切るという点においては受験にもプラスになるのです。

が、やめてしまうとそういうメリットが得られなくなる。またやめてしまって子どもたちが受験勉強にまい進するかというと、そうではない。むしろそれがストレスになって家庭や学校で思わぬ行動を引き起こすこともあるのです。

だから、本来なるべく続けた方が良い。これにはやはり知恵が必要です。

実際に最後まで習い事をあきらめずに続けて、志望校に合格した子も少なくありません。ただ、やはりそれなりに工夫は必要でした。

習い事やスポーツで自分の時間の都合に合わせて勉強するとなれば、やはり個別指導になることが多く、実際に個別ワークスを選択した子どもたちも少なくありません。

後半模擬試験などでいろいろ時間がとられることも少なくないですが、それでもある程度までは続けられることが多く、子どもたちにもいろいろな力が身につく分、簡単にあきらめずに勉強法を工夫してみてください。

これもオンラインがもたらすメリットの1つです。