リスケできないから、しんどくなる

近年はご両親とも働いている家庭が増えました。

で、塾が預かり施設みたいになっているところもなくはないが、しかし、やはり毎日塾があるわけではないので、家で勉強するということが本来、受験勉強の中心になります。

ただ、子どもたちはまだ充分にモチベーションが出来ているわけではないから、監視しないと勉強しない、という面はあるでしょう。

そこで家に監視カメラを設置して、子どもが勉強しているか外から確認する、みたいなことをやられたご家庭もありましたが、まあ、子どもたちが逃げてしまえばなかなか難しい。

だからちゃんと取り組むべきものを決めて、後からチェックして、できていなければ(これはわかっていなかった場合も含めます。)リスケすることが必要になるのです。

で、毎週のカリキュラムが決まっていると、もうそこで遅れが出てしまう。わからないから、新たにやってももっとわからなくなる、ということなので、実はこの「リスケ」という作業が子どもたちの勉強を管理する上で大事なのですが、なにせカリキュラムが固定化しているので、遅れてしまう。

しかし、何に遅れているかと言えば、塾の決めたカリキュラムに遅れているだけで、後から取り返せば充分に間に合う。

このことを教えてくれたのは、5年生の男の子でした。

WEBワークスにも、月例テストはついていますが、この提出期限はありません。

わかったと思ってから月例テストをやり、それを送って採点してもらうのですが、なんとこの子は半年以上ためました。

なので、5年生の終わりに突然始めた感じ。しかし、実際に勉強が進んでくると、これはこれでまたペースが掴めてくるし、自分でわかってくればペースも上がってくる。

ということで、最後6年生の10月に最後の月例テストを提出して、その後は模擬試験に進み、志望校合格を果たしました。

子どもたちの成長のペースはいろいろで、やがてがんばる時期も出てくるから、そこまで待てるかどうかは結構大事なのですが、リスケできないから落ちこぼれる。

だからWEBワークスは便利なのです。

動画授業も、テキストも、WEB問題集もついているから、いつでも自分で勉強しようと思ったらできるし、ペースを上げることもできる。

中学受験の基本を学ぶのであれば1年半で充分です。ただそれを1年でやってもいいし、2年かけてもいい。3年かけるのならそれでもいいでしょう。大事なことはリスケできること。

リスケできれば、わかるまで待てるわけだから、子どもたちの勉強を管理さえすれば、そう悪い状況にはならない。

その手伝いをお父さん、お母さんが担っていただけるだけで、子どもたちの負担はかなり軽減できると考えてください。

子どもは、やらせるとやらなくなる

これは、割とみなさんが経験的に感じているのではないかと思うのです。

自分のことを振り返ってみても、「やらされるとやりたくない」と思うことは多い。

何か人からコントロールされているのが、自分の自由を奪われていることに直結するような気がするのです。

子どもは最初、自信がないから比較的親の言うことを聞いている。だって自分で食べていけないし、親から保護を受けないといけないから、と思うのです。

でも、段々自分でやれるかな、と思っていると、自分の自由が奪われるのはいやになってくる。

だから勉強も自分で選んでやるのなら、やるけど、そうでないとやらない。

で、塾に行っているときは、勉強する時間と決まっているから、まあ、仕方ない。と思っているのです。

でも家に帰ってくると、他にも選択の自由がある。ところが「勉強しなさい」と言われると、その自由を奪われるわけだから反抗することになるわけです。

だから塾の回数を増やした家庭がある。そうなると、今度はもっと自分の時間を奪われたと感じるから、塾にも行きたくなくなる。塾をサボる、勉強しない。それこそ勉強自体が敵になってしまう。

これはもうマイナスでしかありません。

ではどうするか?

勉強は自分にとって得である、やりたいことである、というように誘導しないといけない。

一番簡単な作戦はご褒美でしょう。でも、ニンジンで動かない子だって、多い。

だとすると、あとは受験するメリットがしっかり伝えていかないといけない。

公立に行きたくない子、今のクラスの子と同じ学校に行きたくない子って、います。こういう子は間違いなく、受験はがんばる。同じことを中学でも繰り返したくない、と思っているからですが、これはマイナスの動機だけれど、こういう動機ができて初めて勉強するんです。

だから中学受験の低年齢化は危険です。

どんどんやらされると、最後勉強が敵になる。こうならないようにするためには、慌てて勉強させないことが大事。

みんなが始めているから、と慌てて失敗しているから、「中学受験撤退組」が増えているのです。

私立中学に行く、ということが、とてもバラ色で楽しいことになるようにすることが大事。

私の先輩は、「私立に行くと休みが倍になる」と言っていました。まあ、そういう面は確かにあるが、これで目の色が変わる子だっているのです。

何が子どもの動機を作るかはわからない。ただ、その動機が作れるまでは、あまり慌てて「勉強を敵にしない」ことが大事です。

受験勉強は本来パーソナルなもの

昔からものを習う、ということについては1人の先生に何人かの生徒がつく、という形式になっていました。

寺子屋もそうだし、藩校もそう。明治維新以降もそうです。当たり前ですが、先生が何人もの生徒を教えて方が効率が良い。だから戦後の予備校などというものは、とてつもない規模の教室になった。

1人の講師が教えている生徒が200人とか300人だったりしたわけですが、さすがにこれもどうかということで、だんだん1クラスの人数が減ってきました。

中学受験の場合は、100人クラスというのも昔はありましたが、今は概ね15人ぐらいになっているでしょう。しかし、そうなると先生がたくさん必要になる。そこで授業内容が先生によって異なるのではなく、全員が同じ授業をするようにパッケージ化されるようになりました。先生の個性で問題が変わったり、教え方がかわったりしない。昔は名物先生というのがいたのですが、そういう先生が減ったというか、そういう授業を許さなくなった。

でその代わり、クラス分けをして子どもたちを競争させることにしたわけです。クラス分けは昔からあって、それが子どもよりも親の方に利く。自分の子をより上のクラスへ、ということで切磋琢磨が始まれば、上位の子はそれなりに勉強してくれるから、合格実績は出る。その上で、そういう子どもたちに追いつけ、追い越せで多くの子どもたちが入ってくれば。塾にとっては好循環、ということになったわけです。

しかし、本来受験勉強はパーソナルなものです。

志望校も違うし、状況も違う。だからみんな自分で勉強していた。大学受験用の塾が出てきたのは、そんなに古くはないのです。みんな自分でやっていたからでしょう。

で、授業がパッケージ化されたり、教材がいろいろ出てきた以上、個別に勉強した方が効率が良い、というのは当然です。大学受験で指導者がいないから、みんな予備校だ、塾だと通っていたが、教えてくれる人がちゃんといるのであれば、別に集合授業である必要はないのです。

ということに、私も最近気が付いた。つまり、そのくらい塾や集合授業をやるのが当たり前だ、という感覚が強いからです。

しかし、今はいろいろな技術が出来ているので、その当たり前は当たり前ではなくなるかもしれません。コロナ禍で「なんだ、できるじゃないか」ということは結構ありましたから。

夏の計画を立てる

夏休みの計画をしっかり立てていきましょう。

WEBワークスの夏期講習はセットされていますが、それ以外の課題をどうするか、ということを考えて行かなければなりません。

最も大事なのは過去問。

6年生の夏休みに入る前には第一志望と第二志望は決めましょう。

その上で、その過去問をやっていく。すでに始めていて2回目に入っている場合は時間を計って練習します。

しかし、まだ充分に決められずに夏休みから始める場合は、1回目なので、時間を計ってはいけません。時間を計るとすべての問題に目がとおせなくなるからです。

1回目は子どもたちがどんな問題が出るのか、どういう形式なのかを知るための勉強ですから、手が着かない問題があってはいけません。

そして、直しも充分な時間が必要です。

わからなければしっかり解説、解答を読んで理解しなければなりません。その時間もしっかり計画してください。

後は、不得意範囲のやり直し。

WEBワークスで元に戻ることは容易です。あとは、どの分野をやり直すか、決めるだけ。

カリキュラムは以下のようになっていますから、その中からチェックして、やり直す内容を決めましょう。すでにやってある場合は、その差も履歴に出てきますので、課題が何かしっかり浮き彫りになると思います。

WEBワークスカリキュラム

オウチで中学受験のメリット

tanakatakashi.netのシステムを使うと、在宅だけで中学受験の準備ができます。

模擬試験は受験しに行かなければなりませんが、それ以外に外に出る必要はありません。つまり、夜遅くまで塾に行かなくて良いし、家族と一緒に食事もとれる。

で、いろいろメリットはあるのですが、特に最近大事だと思うのは、習い事との両立です。

中学受験で学齢が上がっていくと、どんどん塾の日数が増えて、次第に習い事やスポーツをする時間がなくなってくる。

したがって止めてしまうというケースがほとんどだと思うのですが、しかし、本当のことを言えば、子どもたちはいろいろな力があるわけで、それを伸ばす機会を簡単にあきらめてはいけない。

慶應義塾湘南藤沢中等部は、受験時に活動報告書を求められます。これは、家庭、学校、家庭と学校以外の3つのテーマの中から1つを選んで、4年生以降の活動をまとめる。活動というのは当然、学業以外の活動ということで、最近の子どもたちは塾が増えて書くことがなくなりがち、なのです。

でも、いろいろなことをやれるようにしつつ、勉強も進めることができれば、将来に向けていろいろな対応力を養うことができるし、学業以外にもこれ、という得手があるのは、子どもたちの自信を支えるものではあるので、やはりそのチャンスは大事にしていきたい。

その意味では「オウチで中学受験」は、子どもたちの可能性を大きく広げることができるやり方だと思います。

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競争に疲弊しない工夫

今の塾は間違いなく競争させられます。

だから、子どもたちの中にヒエラルキーが持ち込まれる。なので、受験だけのヒエラルキーにしてしまうと、子どもが消耗します。

しかし、別の軸がいくつかあれば、子どものバランスが保たれる。

それが習い事だったり、趣味だったりするのです。

なので、受験準備が始まっても、習い事をやめてはいけない。

受験勉強だけのヒエラルキーになってしまうと、うまくいかないとボロボロになる。

まだ子どもたちの精神力はそこまで強くないので、上手にバランスをとることを考えてください。

フリーダムはこの競争をできる限り廃して、6年生の模擬試験だけに絞っています。

もともとオンラインだから、他の子は見えない。ただ、それだけでは井の中の蛙になってしまうので、模擬試験を受けて状況を確認しながら、次の手を進めていきます。

刺激がありすぎてもいけないし、なさすぎてもいけない。

ただ今の子どもたちの状況はありすぎ、で、それがストレスにつながっているところがある。

だから競争に疲弊しない工夫をしましょう。

知らない言葉は親がドンドン教えた方が良い理由

中学入試で使われる文章は、特段小学生を意識して書かれたものではありません。

作者はそれなりに自分の主張や考えがあってそれを書いているわけですが、これが中学入試に使われる、などとはあまり考えていない。入試のために書き下ろされたものはほとんどないので、その分、使われている言葉は子どもたちの理解を超えるものがたくさんあるわけです。

もちろん、そういう難しい熟語には註が施されているわけですが、それでもわからない、ということばはあるでしょう。したがって入試本番までにある程度語彙を増やす必要はあるわけです。

ただ、辞書を引いていくのは不合理です。もちろん辞書を引くことは大事だけれど、そうしょっちゅう引いていたら、文章が頭の中に残らない。相変わらずよくわからない、ということになってしまいます。

だから、横にいてどんどん教えてしまうのが一番手っ取り早い。

これは本当に、お父さん、お母さんんの力が大きい部分です。子どもは小さい時からお父さん、お母さんの言葉を耳から聞いていろいろなことを覚えている。

つまり、この方法は子どもたちに一番あった勉強法といえるのです。

だから怒気さえ含んでいなければ、本当に子どもたちにとっては一番わかりやすい状況なので、ぜひどんどん教えてください。

なぜ褒めないといけないのか

子どもは褒めて育てなければいけません。

これはどうしても必要です。絶対に褒めないといけない。

なぜなら、自己肯定感を持てない子は、積極性を持てないからです。

子どもは本来、非常識なぐらい自己肯定感を持ちやすい。

僕って凄い?になりやすいのです。だから、いろいろなことに挑戦できるし、やってみようという気になる。

しかし、自己肯定感が無い子は、何事に対しても臆病になり、やりたがらなくなる。それでは成長の機会がなくなります。

だから褒めないといけない。

僕って凄い?という感覚は絶対に持たせなければならないのです。

量があだになる

子どもたちがやっている勉強はなかなか量があります。

しかし、その量が多いがために、いい加減になっているところもあるのです。

例えば、小数・分数の混合計算が20題出されたとしたら、これは誰もがやるのはいやだなあ、と思うのです。

面倒だ、大変そう、そういう印象がまず絶対に起きる。だから、それを1題1題ていねいにやろうとは思わなくなる。どんどんやらないと終わらない。さっさと終わらせようと思うから、最後まあ、正解じゃなくてもいいや、というような気分になってしまうかもしれません。

同様に、何でもすぐ答えるという子も、そう仕向けられているところがある。「速く答える」ように仕向けられると、速さが優先されるわけだから中身はどうでも良くなってしまう。

そういうことを小学校3・4年生ぐらいからやってしまうと、「良く考えない」子が出てくる。わからなくてもいいから、とにかく答えを出す、みたいな感じ。

したがって成績は悪いし、こういう子が入試で合格するわけがない。

まずは出来る量を絞って、確実に正解になるように考えるくせをつけないといけない。

絶対に合格する子、というのは「やった問題は間違えない」子なのです。しかし、たくさん、速くやる子は「やった問題を間違える」から合格しにくくなる。

多少時間がかかってもいいから、ちゃんと正解にたどり着いていくように勉強の質を変えないと、いつまでたっても状況は変わりません。