中学受験をする以上、途中、いろいろな試験を受けるでしょう。
試験を受ければ当然結果が出て、偏差値とか順位とかが票になって打ち出されてくるわけで、どうしてもその成績表の方が気になるわけですが、本当は答案を大事にしないといけない。
入学試験は、難しい問題ができるから、合格するのではありません。人ができる問題を間違えないから、合格するのです。みんなができない問題はできなくてもそれほど痛くはないが、みんなができたのを間違えるとこれは問題になる。
では、できそうな問題ができないとはどういうことなのか。これはミスが一番大きな原因でしょう。
ミスの原因を列挙するならば、
(1)問題文の読み違い
(2)計算違い
(3)自分が書いた数字の見間違い
が多いと思います。これはお子さんによって異なります。だから、模擬試験や月例テストの答案が参考になる。
点数や偏差値、あるいは順位よりも、大事なのは問題用紙と答案です。
いったいどうしてミスをしたのか。
そこをまず調べてください。
そのミスの原因を、つぶしていかないと、結局はざるで水をすくうようなものになってしまいます。
例えば計算はどこに書いているのか? 式はどこに書いているのか?
式を書いていなければ、途中答えが出た後、その過程を確かめることができなくなります。もし、人数が分数になったりしたら、最初からやり直さなければいけないことになる。
ところが式を書いていれば、ああ、ここが違う、と見つけることができる。その過程ができなければやはり点数を失いやすい解き方をしているということになるのです。
これは試験直前ではあまりうまくない。今のうちから研究して対策を考えていくことが大事なのです。
自分の解き方を作り、試験で試して、また修正する。
この繰り返しで、だんだん精度が上がってくる。最初から精度が高い子はそう多くはありません。
また最初に精度が高かった子はこういう研究をしていないから、後半にスランプに陥ると立て直しが利かなかったりする。
今はできなくても、ちゃんと精度が上がってくれば良いので、答案が語ってくれることにちゃんと耳を傾けてください。