大手の集合塾では、クラス分けのシステムがほぼすべての塾で採用されているでしょう。
毎月の組み分けテストを重ねて順位を決め、クラスを振り分けていく。上位クラスは名前を変えて、「~に入らないと御三家にはいけない」みたいな不文律があったりするわけで、親子ともにそれに向けてがんばっているわけですが、しかし、6年生にもなると、だいたいランクが決まってくる。
そして、そこまでの間に本当にもうくたびれてしまって、やる気が出ない子どもたちも増えてくるのです。勝ち残ればいいのだけれど、勝ち残れないとかえって意欲がそがれてしまう。
本当のことを言えば、そういう偏差値を出して力を試すのは6年生の後半だけでいいのです。カリキュラムをすべて習った後、何が出るかわからない試験でないと、力試しにはならない。かつ、そこでどのくらいの力を出せるのか、いろいろなことを試しながら力を上げていけばよいのであって、生徒のデータで言えば、最初が45、最後が63というのもありました。
これは前半で疲れていないから、ここまで伸びるところがあって、勝ち残りシステムを経験していないから、自分の成長も期待できるところがある。しかし長いこと停滞してしまうとそこも信じられなくなる。
「どうせ、だめだし」みたいなことになってしまうのは、本当はもったいないところではあるのです。特に最後は締め切り効果があって、よく伸びる時期なのですから。
勝ち残りシステムで勝ち残れば、もちろん合格に近づくことはその通りでしょう。
しかし、それ以外に山の登り方がないのか、といえばそんなことはない。むしろいろいろなロスを考えてみると、もっと効率の良い登り方があるのです。
今のお子さんの状況をよく考えてみてください。この先さらに大きな変化が望めるのか、大きな分かれ目にさしかかっていると思います。