次のステージへ向けて

中学入試の結果は、人それぞれではあるものの、全員がこの4月に新たな学校に進みます。

義務教育は残り3年間、後はそれぞれの志望や考えによって、進むステージがいろいろあるでしょう。

実は大学に行くだけではなく、いろいろな選択をする子どもたちがたくさんいます。

それぞれが、この3年間の中で、また考え、成長し、たどり着いた結論ですが、家族もそれを応援することで、次のスタートを子どもたちは切れるのです。

その意味で受験以上にまた、次のステージが大事になってくる。

子どもたちも成長していきますから、自分でいろいろなことを考えるようになる。だから、それをじっくり聞いて、一緒に考える姿勢が保護者には求められます。

多少なりとも距離を置きつつ、しかし、子どもが何を考え、何を望んでいるのか、しっかりコミュニケーションを取ることが重要な時間になっていくでしょう。

でも、それが大きな楽しみなのです。

たくさんやるより、ていねいにやる

塾は非常に早いスピードで進むところが増えました。

また課題も多いし、宿題が終わらない、ということで2月にペースがつかめない子が少なくありません。

そういうスタイルが全てではないので、あまり苦しむようなら山の登り方を変えた方が良いでしょう。

基本的に勉強はたくさんやるより、ていねいにやる、が大事。

どうしても量をやらないと、と思いがちなのですが、しっかりわかっていなければ、量をやっても時間の無駄なのです。

ていねいに一つの問題に取り組んで、しっかりわかる、ということが大事。

それが積み重なって初めて学力になるので、量に目を奪われないようにしてください。

中学入学後は一歩下がる

これまで中学受験準備のために、いろいろ子どもたちにしてあげることが多かったと思いますが、中学入学後はやはり一歩下がることをおすすめします。

特に男の子のお母さんはそれが必要。

つい、私がいないと、と思いがちですが、それは子どもの成長にプラスにならない。

たとえ、弁当を忘れようと、プリントが鞄の中でぐちゃぐちゃになろうと、手を出してはいけません。

お母さんはお母さんの世界をしっかり構築して、子どもたちから一歩引く。

無関心になってもいいかもしれない。

そうすると、子どもたちの成長とバランスがとれます。

そうしないと、反抗期に火をつけてしまいがちです。

量より質

受験勉強は、それなりに量的に問題を解かないといけないところはあります。

ただ、量ばかりを追い求めていても、実際に子どもたちが考えていないと、まったく力はつきません。

例えば大量の宿題を出されても、適当に答えを書いて、まあ、ほとんど×でもやったことにはなるかもしれない。

しかし、当然ながら、子どもの力にはならないのです。

だから、その質は追い求めてかないといけない。

例えば1問の問題を30分考えると試験時間には到底間に合いません。

が、自宅学習でそれをやっても問題はないのです。むしろやるべき、とも言える。そこまでいろいろ考えれば、その過程で当然、考える力の訓練にはなるので、必ずプラスになります。

ただ、数をこなせば良い、というのではなく、子どもがじっくり考えて、思考力を養っているか、を吟味してください。

みんなと一緒だと楽な部分もあるが

みんなと同じことをさせて、ダメだったら、それは仕方がない、という考え方はあるかと思います。

しかし、みんなと同じだから、ダメだった、ということもある。

というのも、子どもにはいろいろな個性があり、本来で言えば、その子の個性に合う方法を考えてあげた方が良いのです。

今の塾のやり方は、小さい時から同じことをさせて、競争させ、そのふるいで勝ち残った子どもたちが上位校に行くようにできているわけですが、本当はそんなことをしなくても、志望校に合格できる。

力のある子というのは、それなりに力の出し方を知っているところがあるので、小さい時からの競争をしなくても、ちゃんとやるときはやる。

むしろ、その競争で疲弊し、力を出し切れない子どもたちが増えているように思います。

だから、親の発想を変えた方が良い。

ウチの子に合う山の登り方は何なのか、そこを考えずに「みんなといっしょ」は、あまり良い方法とは言えないでしょう。

山の登り方2

近くに中学受験の塾がない、という場合、中学受験をあきらめてしまう場合があるかもしれません。

しかし、今は、いろいろな方法がある。特にインターネットを使って、ZOOMによる個別指導や動画授業、WEB学習システムなどがスタートして、これまでの紙中心の通信教育から変わってきました。

最終的に試験は紙ですが、いろいろな手を使って勉強ができるので、これをどう組み合わせるかは、その子の状況や志望校、成績などによっていろいろ違うでしょう。

ただ、インターネットで個別指導が受けられるので、プロの意見を聞きながら、組み立てることもできるので、最後の最後まで塾に行かずに志望校に合格していく子どもたちが増えてきています。

ということは、地方からでも受けられるし、海外にいても、充分に準備ができる。

実際に海外から試験直前に帰国して受験に備えることもできるので、いろいろなやり方が考えられるようになりました。

引っ越し前提で、志望校に合格した子どもたちは、案外疲弊せずにこの受験生活を終わらせたように感じます。

山の登り方1

お父さんは自営業で、割と家にいることが多い。

なので、子どもと一緒に勉強して、中学受験を迎えたい。

ということで、通信教育でスタートしました。

4年生、5年生とそれで進み、通塾はなし。

模擬試験は受けたものの、それほど手応えがあったわけではないが、逆にいろいろ成績情報過多にならず、子どもが分かるまでジックリ勉強しようと心に決めたそうです。

6年生の夏から、近くの塾の学校別特訓にだけ通い、あとは、過去問と塾の宿題を中心に組み立てました。

最後、過去問が終わらなかったので、一気に駆け込んだけれど、家で勉強する時間がしっかり確保できたので、特に問題なく、無事、第一志望校に合格したそうです。

まあ、お父さんが自営業だから、できた、と言われればまあ、それまでかもしれませんが、親子でじっくり中学受験に取り組めたひとつのやり方かと思います。

中学生の塾の広告

東京・神奈川の私立中学入試会場では、現在朝日小学生新聞の特別号が配布されているだろうと思います。

まあ、この特別号は毎年配布されているようですが、スポンサーの変遷がある。

今年は平岡塾、駿台、鉄緑会でした。

以前は他の中学生の塾の広告になっていたと思いますが、同じスポンサーが続く場合もあれば、また変わる年もあります。

まあ、私立に入っても塾?と思われるかもしれませんが、結構塾に通っている子は多いですね。

昔は、私立に入ったらもう良いだろう、みたいな感じでしたが、今は大分様子が違う。

まあ、勉強しなくなるくらいなら、入れておいてもいいかもしれませんが、やはりそろそろ自立はしてもらいたいと思いますよね、親は。

ある家族の食事風景

ある入試の午後、学校近くのレストランで昼食を取っていたら、明らかに受験生と思しき生徒とご両親が入ってきました。

席について、メニューを見ながら、お母さんと娘は、もう何を食べるか、ということでいろいろ話をしていて、お父さんは手にした入試問題をフンフンと読み始めている。

あら、ここで答え合わせかな?と思ったところ、

「こんな問題ができるようになったんだ」

とお父さん。

それに合わせてお母さんが
「だって、がんばったものねえ」
と言い、本人も
「まあ、できることはちゃんとやったから」
とサバサバとした表情。

お父さんも入試問題はそのまま鞄の中にしまい、あとは3人で何を食べるか、相談していました。

ま、このくらいが、良いですねえ、と私は密かに思いました。