オンラインと対面、どちらを優先するか

オンライン授業も便利になり、週末の対面塾と組み合わせて学習を進めるご家庭も増えてきました。

ただ、そこで迷うのが、どちらを中心に考えるか、ということです。

平日の夜にオンラインで見てもらう方が時間は使いやすい。移動もありません。録画やチャットのやり取りが残れば、あとで復習もしやすいでしょう。

一方で、週末の対面授業には、先生が子どもの様子を直接見られるという強みがあります。手が止まっているのか、何となく聞いているだけなのか、説明を受けたあと自分で解き直せるのか。こういう部分は、やはり対面の方がつかみやすいところがあります。

ですから、単に「便利だからオンライン」「しっかり見てもらえそうだから対面」と決めるのではなく、子どもがどこでつまずいているのかを先に見る必要があります。

理解で止まっているのか、実行で止まっているのか

まず分けて考えたいのは、理解の問題なのか、実行の問題なのか、ということです。

説明を聞けばわかる。類題も何とか解ける。けれども、家でなかなか始められない。宿題をためてしまう。予定通りに進まない。こういう場合は、授業の形よりも、学習を始める仕組みの方が大事になります。

この場合、オンラインであっても、短い時間で区切って確認してもらう形は有効です。毎回長い授業を入れる必要はありません。むしろ、今日はここまでやる、次回ここを確認する、という小さな区切りを作る方が、子どもは動きやすくなります。

逆に、説明を聞いてもよくわかっていない。解き方をまねしているだけで、少し形が変わると止まる。質問されると答えられない。こういう場合は、対面でしっかり見てもらった方が良いことがあります。

特に算数や国語の記述などは、途中の考え方を見ることが大事です。どこで読み違えたのか。どの式を立てたところでずれたのか。何を根拠にその答えを書いたのか。そこを先生がその場で見て修正できるなら、対面の価値は大きくなります。

増やす前に、まず整理する

成績が思うように伸びないと、授業を増やしたくなります。

オンラインを増やす。個別を追加する。週末にも塾を入れる。もちろん、それでうまくいく場合もあります。

しかし、すでに疲れている子に授業を増やしても、効果が出るとは限りません。授業を受ける時間は増えても、自分で解く時間、直す時間、覚え直す時間がなくなれば、結局は定着しないのです。

大事なのは、今の学習の中で何が機能していて、何が機能していないかを見ることです。

たとえば、オンライン授業を受けたあとに、自分で解き直しているか。週末の対面授業で指摘されたことを、翌週の勉強に反映できているか。宿題はこなしているだけになっていないか。

ここを見ないまま授業だけ増やすと、子どもはますます受け身になります。

オンラインに向く場合、対面に向く場合

オンラインが向いているのは、ある程度自分で進められる子です。

わからないところを質問できる。短い確認で修正できる。移動時間がない分、復習や演習に時間を回せる。こういう子にとっては、オンラインはかなり使いやすい方法です。

また、苦手分野を細かく分けて確認する場合にも向いています。毎週長時間見てもらうというより、「今回は速さのグラフだけ」「今回は記述の直し方だけ」というように、目的を絞ると効果が出やすくなります。

一方、対面が向いているのは、学習中の様子そのものを見てもらう必要がある子です。

式を書かない。問題文を読み飛ばす。途中で集中が切れる。わかったふりをする。こういう部分は、答案だけでは見えにくいものです。先生が横で見て初めてわかることもあります。

その場合は、週末の対面授業を単なる追加授業にしないことです。何を見てもらいたいのかを、家庭から具体的に伝える必要があります。

「宿題が終わりません」ではなく、「着手が遅いのか、途中で止まるのか、解き直しができないのかを見てください」と伝える。これだけでも、授業の意味は変わります。

家庭で見るべきことは多くない

家庭で細かく管理しすぎる必要はありません。

見ておきたいのは、次の三つぐらいで十分です。

一つは、始めるまでにどのくらい時間がかかるか。

二つめは、説明を受けたあと、自分で一問解けるか。

三つめは、翌日または数日後に同じ考え方を使えるか。

この三つを見ると、かなり状況がわかります。

始められないなら、学習の入口を作る必要があります。説明後に一問も解けないなら、理解が足りていません。数日後にまたできないなら、定着の仕組みが足りないのです。

そこがわかれば、オンラインを使うべきか、対面で見てもらうべきか、判断しやすくなります。

優先するのは、子どもが動き出す仕組み

オンラインか対面か、という選択は大事ですが、それ以上に大事なのは、子どもが自分で動き出せる形になっているかどうかです。

授業を受けるだけでは、成績は上がりません。

授業を受けたあと、自分で解く。間違えたところを直す。もう一度やってみる。その流れができて、初めて授業が生きてきます。

だから、オンラインを使うなら、授業後に何をするかまで決めておく。対面を使うなら、先生に何を見てもらうかをはっきりさせる。

便利さだけで選ばないことです。

子どものつまずきがどこにあるのか。それを見た上で、必要な形を選んでいく。オンラインも対面も、そのための手段です。

どちらが良いかではなく、今の子どもにとって、どちらが次の一歩につながるか。

そこを基準にすれば、迷いは少し整理されていくはずです。