早く塾に行かせることの危うさはいくつかあります。
その中で一番恐いのは実は「競争」なのです。
塾は競争させます。競争させることが、勉強させることだ、とすり替えているわけですが、実際に偏差値や順位表、さらにクラス分けで座席まで決めてしまう現状は、もう行くところまで行っている、という感じです。
近年遠い塾に行く子は少ないので、当然自宅近くの塾に行くでしょう。そうなると、学校に塾の序列が持ち込まれる。組み分けの結果は、近くにいれば誰でもわかる。
「あの子は落ちた」
という情報は、黙っていなさい、と言われてもやはり広がる。
これでストレスを感じる子どもたちは案外多いのです。
もちろんテストは必要だし、自分の成績を知ることは受験勉強では必要なのですが、自分の成績は自分だけが知っていれば良い情報なのに、わざわざ座席表というところに表してしまう。
これは塾の建前と本音の違いです。個人情報保護の立場で考えれば、そんなことが他の子どもたちに知れてはいけないのですが、それだと子どもが競争しないから、座席表にすることで他に知らせてしまう。
ここが危ういのです。
だから、例えば塾の選び方としても、家から遠いところを考えたり、競争とはある程度距離を置ける環境を選ぶ必要があるのです。
そのようなストレスフルな環境を4年生からさせる、ということは基本的にやってはいけないこと、です。
だから子どもが痛む、のです。
子どもを痛めてはいけない。
十分に子どもの体制が整ってから、競争させましょう。それでも自分の成績は自分だけが知る環境が大事です。