ゴールデンウィークが近づいてくると、受験生のご家庭では、つい「ここで勉強時間を稼がないと」と考えがちです。
もちろん、まとまった休みですから、普段できない復習をする、弱点を整理する、ということはあっても良いでしょう。
しかし、だからといって、朝から晩まで勉強で埋め尽くす必要はありません。
むしろ、私は「GWは遊んで良いよ」と思っています。
子どもたちは、普段からかなり忙しい生活をしています。
学校があり、塾があり、宿題があり、テストがあり、その結果でまた次の課題が出る。大人が思っている以上に、子どもたちはずっと追われています。
そこへゴールデンウィークまで全部勉強で固めてしまうと、どこで息をつくのでしょうか。
もちろん、6年生だから遊んでばかりで良い、という話ではありません。ただ、まだ春です。入試本番までの道のりは長い。
ここで大事なのは、無理に詰め込むことではなく、これから夏、秋、冬へと走っていくための力を残しておくことです。
旅行に行くのも良いでしょう。近場に出かけるのも良いでしょう。友だちと遊ぶ、家族で食事に行く、少し寝坊する。そういう時間があって良いのです。
子どもにとって、遊びは単なる息抜きではありません。
外に出て、いろいろなものを見る。人と話す。体を動かす。普段とは違う時間を過ごす。そういう経験もまた、子どもの中に残っていきます。
特に中学受験は、勉強だけで完結するものではありません。
文章を読む力も、ものを考える力も、相手の気持ちを想像する力も、日常の経験と無関係ではありません。机の前に座っている時間だけが、力をつける時間ではないのです。
ただし、まったく何もしないと、休み明けに戻るのが大変になります。
ですから、GW中の勉強は「最低限を決める」ぐらいで良いでしょう。
たとえば、計算を少しやる。漢字を少しやる。塾の宿題のうち、どうしても必要なものだけは片づける。
一日中勉強するのではなく、「午前中にここまでやったら、午後は遊ぶ」というぐらいのメリハリで十分です。
この時期に一番避けたいのは、親子でずっと険悪になることです。
せっかくの休みに、親が「勉強しなさい」と言い続け、子どもがだんだん不機嫌になり、最後はお互い疲れてしまう。これはあまり良い時間の使い方ではありません。
受験勉強は、長い道のりです。
全部を全力で走ることはできません。どこで力を入れ、どこで少し緩めるか。その加減が大事です。
ゴールデンウィークは、少し緩めても良い時期だと思います。
遊んで、笑って、よく寝て、また休み明けから少しずつ戻していく。
そのくらいの方が、結果的には長く続きます。
受験生だからといって、子どもである時間まで全部削ってしまう必要はありません。
GWは遊んで良い。
そのかわり、遊んだあとはまた切り替える。
そのリズムを作ることの方が、よほど大事だと思います。