低学年からの受験準備が危険な理由

最近は集合塾で、低学年からの受験準備が当たり前になってきました。

しかし、低学年からの受験準備は危険な部分がある。実際、「中学受験撤退」を決めた家庭が最近増えました。これは感覚的なものではあるけれど、以前はここまで効かなかった気がするのです。

で、なぜ危険なのか。

一番は子どもたちの自信がなくなることです。

小さいうちは、本来子どもたちは自信の塊です。遊んでいても、勉強しても「え、僕凄くない?」ということばが割と出やすい。

うまくいくことで、自己肯定感が強まり、好奇心が生まれ、積極的に行動していく。その元になっているのは、小さい時期特有の「根拠のない自信」です。

これがだんだん常識ができていくうちに、少しずつ減っていくわけですが、小さい時にはこれが強くないといろいろなことを学べないし、できるようにならない。

ところが成績を突きつけられたり、課題をたくさん与えられたりすると、もうその時点で自信がなくなってしまう。何番とか、根拠があると、子どもに「根拠のない自信」は生まれなくなるのです。

そうすると子どもはどうなるか。

なるべく勉強から遠ざかりたいと思うのです。できないものはやりたくない。

そういう感覚を持ったまま、学年が上がっていけば当然結果は悪くなりやすい。本来失わなくてもよかったものを先に失ってしまうから危険なのです。

今は中学受験の出題範囲が20年前に比べて格段に広がりました。だからやらなければいけないことが増えたのは事実。ただ、これはやはり子どもたちが頑張れる小学校5・6年の2年間で何とかしないといけない。

そのためのやり方を新たにしないといけないのですが、集合授業では困難でしょう。なぜなら集合授業は全員に同じことをさせるから。だから低学年からの受験準備に舵を切っているわけですが、これはやはりうまくいかない方法のひとつだと思っていただいて良いと思います。

では、どうするかは、シンプルです。

5年生で基礎、6年生で学校別対策。

この両輪をしっかり個別に回していけば良いのです。別に個別指導を頼まなくても、ご家庭でがんばれる内容なのです。実は・・・。

その辺のことは、これからも書いていきますが、とにかく慌てて塾に行かないようにしてください。それで失敗する家庭がこれから増えていくように思いますから。