学校別対策が効率化のカギ

これまでの中学受験の歴史の中で、各校がいろいろな想いで問題を作り、各塾がそれに対する対応を考えてきたので、本当にすべてのことをやろうとすると莫大なエネルギーがかかります。

現在の範囲は学校の内容でいえば、中学2年生まで、という感じではあるものの、それをはるかに越えていると思える問題もあり、まあ、そこまで対策を考えるのはなかなか難しい。

一方、子どもたちが行く学校は1校なので、何校合格しようが行く学校は1校ということを考えれば、「一番行きたい学校に行けるようにする」というのが良いわけで、そうなれば、やはり学校別対策をしっかりやるということが、受験勉強効率化のカギです。

したがって5年生までは基礎を重点に学習し、志望校を決めてからは、なるべくその出題傾向に合わせた演習を積み重ねていくことが望ましい。

その学校に出ないことは、まあホントのことを言えばやる必要はない、と思っていいのです。

が、塾はいろいろな学校に対応することを大義としているので、範囲がここのところ広がり続けています。それを正直にやり過ぎると、いつまでたっても終わらないということになりかねない。

まずは出ることをしっかり練習していきましょう。

時間の自由

塾を始めるとき、集合塾の場合は授業時間が決まっています。

例えば月曜日、水曜日、金曜日の5時~9時まで、とか。

本人の時間もそうですが、これに家族も合わせなければいけないところがある。例えば食事。どうしても夜9時まで塾に行っているということになると、家族の食事の時間はバラバラになります。

また、お迎えの時間もある。一人で帰ってこれるというのであれば助かりますが、やはり心配で迎えに行くご家庭も多いでしょう。誰が行く、お父さん?お母さん?

その意味ではいろいろスケジュール調整をしないといけない。さらにこれに習い事やスポーツが関わってくると、習い事を止めなければいけなかったりするのです。

しかし、習い事はできる限り続けた方が良い面はあります。子どもたちにあいろいろな可能性があるので、できればそれを伸ばしていくチャンスは欲しい。また受験勉強ばかりに偏ってしまって、身体を鍛える部分がなくなるのもさみしいし、また本人がストレスをためる場合もあります。

ある子は6年生で、いよいよ受験勉強に、ということでスポーツをやめたものの、行き場のないエネルギーを持てあまして、つい学校で暴れるようになりました。学校の先生とも相談した結果、スポーツに戻してみたら、何の問題もなくまた勉強にも集中できるようになって、かえって良かったということもありました。

なので、時間の自由はなるべく確保した方が良い。

オンラインで学習するにあたって3つの自由を提唱しました。

その最初が「時間の自由」。あと2つが「場所の自由」と「ペースの自由」です。中でも授業時間を自分で決められる、のはやはりとても便利です。

子どもの潜在的な力を伸ばすために、ぜひ時間は有効に使ってもらいたいと思います。

音読を聞いてみる

子どもたちの音読を聞いてみると、国語の力はある程度はわかります。

ちゃんと漢字や文の切れ、などを考えながら読んでいる子は、それなりに文意のとらえ方ができているわけで、当然のことながら、国語はできる。

しかし、漢字をつっかえ、文の切れは間違えて、そして慌てて読んでいる、みたいな子は、これは練習をした方が良い。

でも、音読の練習なんて、低学年のときぐらいしかできませんね。

高学年になってくると、そういう時間はほぼなくなる。

だから低学年の時に、ぜひ子どもたちの音読を聞く機会を作ってください。

そうやって練習しているうちに、ちゃんと読めるようになってきます。

答案練習をしっかりやる

6年生はこの時期答案練習をしていきましょう。

テスト形式で、時間を決めて問題を解く。

過去問をやる以外にもいろいろなテスト問題はあるでしょうが、やはり志望校の出題傾向に似ているものに取り組むのが良いのです。

そしてていねいに復習する。

覚えていない知識は、覚える。うまくいかないな、というテーマは、集中して勉強する。

そうやって自分の課題をどんどん解決していくことが大事です。

塾の授業もいろいろですが、しかし、自分の課題を直接解決できる方法を選んでいきましょう。

本を読む子

国語ができる、というのは、いろいろな要素が必要ですが、しかし、まずは本文がちゃんと読めないといけない。

で、ここはやはり読書の習慣をしっかり持っているかどうか、ということに左右されます。

本を読む子は、例えば休み時間でもかばんから本を取り出して読んでいる。そういう習慣がすでに身についているから、間違いなく本文はしっかり読めます。

音読を聞いていて、とにかくつかえる、という子はやはりあまり読み慣れていない。

で、この違いはやはり読書の習慣が小さい時からついているか、ということにかかっています。

本はどんな本でも良いのです。本人がおもしろい、とか興味を持った内容で良い。別に文学作品に限ることではありません。

ただ、とにかく本を読むというのが日常当たり前になってもらいたい。

その意味ではやはり図書館を利用するのが一番良いのです。

お父さん、お母さんと一緒に週に1度でいいから、図書館に行って読みたい本を借りてくる。そして読んだら、また次の本を手にする、という流れで良い。

別に感想文を書く必要もないし、本人がおもしろければそれでよいのです。

この習慣をつけるかつけないかだけで、やがて大きな違いが出てきます。塾よりもこちらの方が大事ですね。

まず計算

中学受験算数の基本となるのは、計算力です。

で、そろばんもプラスにはなるのだけれど、しかし、分数とか小数とかの計算が中心だから、やはり練習するしかない。

私は1日3題の計算を毎日続けることが重要だと思います。

3題は少ないと思われるかもしれませんが、集中して「絶対間違えないようにする」方が大事。

たくさんやると、大人でも辟易して、集中力をなくし、間違えだらけになってしまう。それは練習として意味がありません。

おススメは日能研の計算練習。

何が良いかといえば、当然1日3題になっていること。

1095題というのは365×3=1095で、1日3題やろうね、ということになっている。

これをまずしっかり6年生まで続けることが大事です。こういう基礎力に目を向けていくことの方が、早く塾に行かせるよりも大事ですね。

中学受験は塾主導だが

高校受験や大学受験は、学校の勉強がある意味、受験につながっていくところはあるのですが、中学受験と小学校受験はまったく学校や幼稚園が関係ない。

カリキュラムから指導まで塾主導になっています。

しかし、塾主導ではあるものの、塾に行かなければいけないという話ではない。

学習するカリキュラムと教材があれば、それなりに進んでいけるものなのです。

特に今は加熱期なので、どんどんスタートが早くなる傾向にあります。これは塾の生徒囲い込みの一環でもあるのですが、しかし、結局入試に出るところを勉強するのは小学校5・6年というのは変わりません。

なので、ある程度マイペースでやっていくことの方が、今の時代は合理的と言えます。

というのも、塾に入ってしまうと、あまりに長い競争に苛まれてしまう可能性が高いからです。

塾に行かなければならない、というわけではありません。

テストは5年生からで

塾に行くと、当然、競争させられます。

競争させることが、親のモチベーションを上げる唯一の方法だと、塾は考えているからです。

だからその結果もドラスティックにしないと、親が動かない。まあまあ、いいんじゃないですか、みたいなことは言わない。

このラインを超えないと、御三家は厳しいですね、っていつの話をしてるのか、と思うことがありますが…。

なので、テストは5年生からで十分。

5年生になると、ちゃんといろいろな塾で公開テストが始まるので、別に塾に行かなくてもちゃんと受けられる。

そして状況を見ながら、また勉強を組み立てていけば良いのです。

慌てて始めて、消耗しないように気を付けてください。

早い時期からの過度な競争は危険

日本の中学受験の世界というのは、昔から競争させるのが当たり前、みたいなことになってきています。

スタートがテスト会だったのもあるのですが、これは塾に行かない代わりに、その1週間の勉強を試す、ということで行われてきたのですが、今はどちらかといえば競争させるためにいろいろなシステムが作られている。

しかも、それが随分早くから始まるようになってしまったので、子どもたちの消耗は本当に激しくなっています。

塾は、子どもたちを競争させることによって、親が競争することを知っています。

だから、早くから囲い込んで、競争を促す。その結果として上位生に対する学習を強化して合格実績をつくるわけですが、しかし、そこからこぼれていった子どもたちは多数いる。

ここが今、一番厄介な問題なのです。

子どもたちのストレスが大きく、親も疲弊する。だから中学受験を撤退する、という話を頻繁に聞くようになりました。

過度な刺激が多すぎる今、早くからここに入るのはあまりプラスにはならない。

むしろそことは距離を置いて、マイペースで5年生までいくことの方が、プラスは大きいのです。

正解率にこだわる

算数の正解率を上げる方法は、とにかく確認することです。

問題を解いている時、どうしても先を急ぐ。問題文を全部読み終わらないうちに、もう「ああ、あれだ」と思って解き始めてしまったりする。

そして答えが割り切れたりすると、もうこれが答えだ、と思ってすぐ答えを書く。

しかし、問題の条件が違っていたり、パターン問題に似せた違う問題だったり・・・。

はっきり言えば、出題者はきれいに差が出ることを望んでいる。みんなができる、では誰を合格者にしていいのかわからない。

かといって、問題を難しくすると、できない生徒が多くなるから、これもまた差がつかない。

そうなると標準的な問題を中心に、ミスが出やすいように作る。しかし、それなりに注意深く解く子はちゃんと解けるように問題を作る、というのが普通なのです。

上位校の問題であっても、全部が全部難問、ということではない。

それなりに解けそうな問題があるものですが、でもミスを犯してしまうところがある。

なので、とにかく問題文をよく読む、そして答えが出たと思ったら、もう一度確認する。

問題文を最後までしっかり読み取ってから始めるだけで、大分ミスが減るでしょう。