中学受験を始めると、どうしても「今のペースで間に合うのか」という不安が出てきます。
学校の授業はそこまで難しくないけれど、ところどころ苦手が残っている。市販教材を進めても、できる単元とできない単元の差がある。そうなると、「もっと先に進めた方が良いのか」「苦手を深掘りした方が良いのか」と迷うことになります。
しかし、2年間で中学受験を完結させるのであれば、大事なのは、むやみに先へ進むことではありません。
まず、今できていないことをはっきりさせることです。
中学受験の勉強は、量を増やせば何とかなる、というものではありません。むしろ、できないところをそのままにして先へ進むと、後から戻るのが大変になります。だから、最初に見るべきなのは、「どこまで進んだか」ではなく、「どこで止まっているか」です。
たとえば算数であれば、計算で間違えているのか、問題文を読み違えているのか、考え方そのものがわかっていないのかを見ます。同じ不正解でも、原因はまったく違います。
計算ミスであれば、毎日の短い練習で整えることができます。問題文の読み違いであれば、線を引く、条件を書き出す、といった手順を身につければ改善します。しかし、考え方がわかっていない場合は、そこは一度立ち止まって説明を聞き、もう一度自分で解いてみる時間が必要です。
この見極めをしないまま、ただ教材を増やしたり、先の単元に進んだりしても、なかなか力はつきません。
田中貴社中が大事にしたいのは、2年間で、無理なく、無駄なく、親子で楽しく受験勉強を進めることです。
そのためには、塾のペースや周囲の進度に合わせすぎないことが大切です。早く進んでいる子を見ると不安になりますが、受験勉強は競争して先に進むものではありません。最後に、必要な力が身についていればよいのです。
家庭でできる確認は、難しいものではありません。
直近で間違えた問題を10問ほど見てください。そして、その間違いを大きく三つに分けます。
一つ目は、計算や写し間違いなどのミス。二つ目は、問題文の読み違い。三つ目は、考え方そのものがわかっていないものです。
このうち、三つ目が多い単元は、急いで先へ進めるよりも、もう一度深掘りした方がよい単元です。逆に、考え方はわかっているのにミスが多いだけなら、基本練習を続けながら次へ進んでもよいでしょう。
もう一つ有効なのは、子どもに説明してもらうことです。
「この問題、どう考えたか教えてくれる?」と聞いてみる。説明ができるなら、理解はある程度できています。説明が途中で止まるなら、そこが本当のつまずきです。
親が全部教える必要はありません。むしろ、親が先生役を背負いすぎると、親子ともに疲れてしまいます。大事なのは、子どもがどこで困っているかを見つけることです。
オンラインで完結する中学受験では、この「つまずきの発見」と「必要なところだけ深掘りする」ことがとても大切になります。
毎日長時間勉強する必要はありません。やるべきことをしぼり、今必要な単元を丁寧に扱う。わかっているところは無駄に繰り返さず、わかっていないところに時間を使う。これが、無理なく進めるための基本です。
もちろん、受験勉強ですから、いずれは演習量も必要になります。過去問に向けた得点力もつけなければなりません。ただ、その土台になるのは、やはり一つひとつの理解です。
最初から大量の宿題や先取りに追われる必要はありません。
まずは、今の学習の中で、どこが本当にわかっていないのかを見つける。そして、そこを短い期間で一つずつ直していく。それを積み重ねれば、2年間でも十分に中学受験の準備は進められます。
大事なのは、周囲のペースに振り回されないことです。
子どもには、それぞれ理解の順番があります。すぐにわかる単元もあれば、少し時間がかかる単元もあります。それを無視して先へ先へと進めば、勉強は苦しいものになります。
逆に、つまずきを見つけて、そこを乗り越える経験を積めば、子どもは少しずつ自信を持ちます。
中学受験は、親子を追い込むためのものではありません。2年間で、無理なく、無駄なく、親子で楽しく進める。そのために、まずは学校や塾のペースではなく、子どもの理解のペースを見ていきましょう。