親が帰ってくるまで、一人で勉強できない子

以前、こんな生徒がいました。

長い間、塾に通っているが、自分で勉強しない。とにかく誰かが見ていないと、やらない。しかし、両親とも仕事をしているし、姉も学校に行っているから、小学生であるその子だけが家にいる時間が長い。

塾は毎日ではないので、当然、親が帰ってくるまでにひとりで過ごす時間があるわけですが、そこでの勉強はほぼゼロ。

どんなに約束をしても、やらない。というか、本人は元々やる気がないのです。

なぜか?

いろいろやらされてきたので、もう辟易としている。まだ自分の自由な時間が奪われるのか、とそう思っているのです。

だから、こういう子は自分では勉強しない。元々なぜそうなったのか、ということを本当は考えないといけないところだが、対処療法だけ考えるから、例えば家にカメラを入れるとか、そういうことばかりになりやすい。しかし、監視されたら、逃げるに決まっているのです。

別に早くから始めなくても、まずはしっかり動機を作るところからやらないといけない。

なぜ、中学受験をするのか?

その理屈がわからないうちに始めるのは、実は将来自分でやらなくなるリスクがあるのです。

なぜ式を書かない子になるのか

割と早くから塾を始める子ほど、式を書かない傾向にあります。

これは最初のうちはテストでそれほど難しい問題が出るわけではなく、ただ量が多いので、とにかく急いでやらないといけない。

式なんて書いている場合ではない、と子どもたちはそう思うのです。

また塾では何をやるにしろ、「早く、早く」とせかされる。

だから早くやらないといけない、とすり込まれている。

なので、高学年になって、問題が複雑になったり、円周率の問題が出てきたりした途端、破綻するのです。

入試では、記述式という形式があり、ただ答えを書くのではなく、やり方を説明したり、式を書いて明示しなければならないわけですが、それまでただ答えを出すテストに慣れているので、記述式は非常に難しく感じる。

志望校によっては、とても大変になるケースがありますから、なるべくなら早いうちに式を書く習慣を身につけた方が良いでしょう。

その方が確実に正解率が上がります。

注意は具体的に、何をどう変えるかを見えるようにする

子どもですから、まだ親の言う通りに何でもできるわけではない。

一方、それでも自己が発達していますから、自分のやりたい方法というのもある。

だから、注意をするときは、何をどう変えるのか、見えるようにしないといけない。

~しない、ではなく ~をする ということでないとわかりません。

例えば朝、自分で起きる、ということをひとつのテーマにするとすれば、まず、睡眠時間をある程度確保しないと眠いに決まっている。

子どもたちは成長期ですから、睡眠は必要で、これが充分でないと大きくならない。

だから、その時間を何時から何時間というように相談して決める。

さらにその時刻に起きられるように、目覚ましをセットする。その方法も具体的に教える。

そうすれば、次第に自分でできることはやるようになっていきます。

今はやらせていないことが多い。そのくせ、言われるだけ言われるから、子どもたちのストレスはたまりやすいのです。

行動が遅い子

中学受験は先取り学習が圧倒的に多いため、前に進むことが好きであれば、中学受験は向く可能性が高いでしょう。逆に行動が遅い子にはつらい部分が多いかもしれません。

黒板の字を写すことから始まって、テキストを出す、ノートを広げる、こういうことすべてにおいて、遅い子はやはり、まずこの点をどうするのか?ということを考えなければならないといえます。

その子の持っているペースですから、なかなか速くしろといってもそうならない部分もあります。だから逆にこういう子どもたちの受験はやるべきことを徹底的にしぼっていく必要があります。ただこういう子どもたちのよい面としては、本当に自分のペースで理解できたところはなかなか忘れないという点です。

1週間にできる内容は、進む子の半分もいかないかもしれません。ただ2回やるところを1回で済ますと考えれば、対策は考えられてくるのではないでしょうか。

どんな子にもよいところがある、そこを伸ばすためにどういう学習法を考えればいいか、ここが中学受験では最も重要なところであって、どの子にも適用できるという方法はなかなかないように思います。

先生、ウチの子、わかります?

ある塾で、6年生の受験校面談にあたって、あるお母さんが自分の子の写真を持って行ったそうです。

「先生、ウチの子、わかります?」

「お母さん、もちろんわかります。」という返事だったそうですが、さて、本当はどうだったか。

塾は、専任講師と時間講師に別れます。専任講師は、正社員ですが、多くの授業は時間講師によって行われることが多く、専任講師が教えているのはわずか。

それでも4教科あるので、誰かが教えてたことがある、ということで、面談を決めるのですが、なかなか微妙なところもあり、だから、どうしてもデータ頼りになる。

しかし、模試のデータよりも、子どもの性格や学習態度の方がやはり受験校決定には大きな要素になるので、この辺はなかなかうまくいかない。

だから、塾の面談でちょっと疑問があるな、と思ったら、そういう背景があるので、やはり家庭の考えを優先した方が良いでしょう。

まあ、よくわかってくれている先生が一人いるだけで、大分状況は違うのですが・・・。

できる限り、同じことをさせたい

集合塾は、個別の対応はできない、と言っても良いでしょう。

元々授業が集合授業なのだから、できる限り同じことをさせたいのです。

しかし、それぞの子どもたちの志望校も違えば、得手不得手も違う。

たとえ同じ偏差値であったとしても、やるべきことが違うのです。

その違う対応ができない。

だから集合塾は遠回りする。それで長い時間やらされる、というのはあまり子どもにとってプラスではないでしょう。

なぜ、そんなに急ぐんだろう?

5年生で、すべてのカリキュラムを終えてしまう塾があります。

で、6年生の1学期、また復習をやっている。

早くカリキュラムを終えて、志望校別を早く始めるのか?と思っていたのに、そうではない。結局志望校対策は夏休み以降。

志望校別対策はどうしても、クラスを細分化しないといけないところがあるわけですが、同じカリキュラムなら縦割りで済む。

だから、急いだカリキュラムの意図が今一つわからなかったりする。

塾のペースは、子どもたちのためのものではなく、塾のためのものなのです。

先生との相性

今、ほとんどの塾では、先生を選ぶことはできないでしょう。

成績によってクラス分けが行われ、そのクラスを担当する先生が決まるので、そのクラスから外れれば、当然先生が変わる。

せっかく相性が良かった先生と、分かれてしまってモチベーションが上がらない子もいますし、当然その逆もある。

しかし、それはやはりひとつのリスクなのです。

一方個別指導は先生を決められる。また良いと思う先生が現れるまで、変えることもできるところが多い。

まあ、これはやはり1対1のメリットと言えるでしょう。

先生との相性は、案外子どもたちの成績を左右している部分はありますから、問題が出たときはちょっと方法を変えてもよいと思います。

なぜ塾の課題は終わらない?

5年生も、6年生もこの時期たくさんの課題が与えられているでしょう。

6年生は、塾の回数自体が多いので、家で勉強できる時間があまり多くはない。

日曜日も、模擬試験が入ったりするから、そんなに自由な時間は多くなくなっています。

でも、それでも課題を出す。

基本的に、塾は終わらないことは百も承知で、出しています。

なぜか?

自由な時間を創らせないためです。それは他塾に移動する可能性が出てくると思っているから。

暇な時間を創らせないために出す。

なので、まあ、終わらせることは考えなくても良いのです。

でも終わらないといけない、と思わせられてるところはあるわけで、こういうところも塾のいけない所でしょう。

塾の組み分けは上がりにくい

校舎によって、クラス数にも違いはありますが、やはり同じ校舎での組み分けは、クラスを上げにくい。

これは組み分けというのが、その校舎での相対的な位置を決めるものだから、であって、校舎によって当然レベル差がある。

上位の子が集まりやすい校舎では、さらに上がりにくい状況が生まれるので、そうなるとなかなかモチベーションは維持しにくい。

本来はカリキュラムテストですから、そのカリキュラムがどのくらいわかったかを確認すればいいだけのことなのですが、ここに相対的な競争を持ち込むから、ロークラスの子のモチベーションは上がりにくくなる。

ロークラスが続けば、必然「まあ、どうせここだから」みたいな感覚が出てくるので、これは子どもたちの前向きなモチベーションを作るのにはマイナスです。

相対的な地位は上がるに越したことはないが、じゃあ、上位にいれば必ず志望校に入れるか、というとこれも微妙で、それぞれの学校の対策の仕方によっては結果は当然変わります。

だから、特に後半戦はあまり相対的な位置を気にしなくてもすむ環境にしておいた方が、子どもたちのモチベーションは上がりやすいでしょう。

例えば過去問ができた、という経験だけでも、大分気持ちは変わってきます。