自分で自分の力を伸ばす経験をさせる

小さい時から習い事をすることはとても大事なステップです。

例えばサッカーで練習をして、ドリブルができるようになる、リフティングができるようになる、そういう経験は何事も練習していけばよい、ということを実感できる。

気持ちが「うまくなりたい」「できるようになりたい」と思うことで、さらに練習に熱が入るから、やはりそういう気持ちも持たせることが必要ではありますが、しかし、そういう気持ちを持った子どもたちはやはりどんどん上手になる。

で、その経験は中学受験にも役に立ちます。

あれができたんだから、算数もできるんじゃないか。

練習すれば、国語もわかるんじゃないか。

そういう気持ちになってくれれば、練習である勉強に対するマイナスの気持ちはなくなっていきます。

子どもたちはゲームをやるとき、最初からうまくいかずに練習してできるようになっている、ので、これは勉強でも同じこと。

問題はゲームがうまくなる以上に成績が上がるということについて、本人の気持ちが向く工夫をしていくことが重要です。

志望校が先か、成績が先か

中学受験は、最近準備を早くから始めるので、志望校の話が比較的後回しにされやすい。

まずは成績が出て、そこから志望校を考えればよい、と思っておられるご家庭が多いと思うのですが、実はこれがあまり効率が良くない。

中学入試はそれぞれの学校が独自に問題を出す「独自入試」なので、学校別の出題傾向はさまざま。

例えば算数では、記述式で難問を4題しか出さない、という学校もあれば、20問近くの問題を出す学校もあり、まあ、その出題傾向もいろいろなのです。

で、それを全部対応できるようにする、というのは途方もない努力になる。しかもそれが4教科ですから、大変なことなのです。

ところが志望校が先に決まっていると、その出題傾向に合わせて準備を進めていけばいいので、学習内容を取捨選択できるようになるのです。

だから志望校は先に決める方が望ましいのです。

成績は目標を決めて上げる方が本人の気持ちも乗りやすい。ただそれはやはり5・6年生になってから、という子がほとんどです。だからそれまでは基礎をやっていれば十分。

ご家庭はそれ以前に、どこに入れるために中学受験をさせるのか、というテーマをしっかり考えてください。

そこが子どもたちの負担を軽減する大事な道筋です。

学習の計画を立てる

いくつかの目標をその学年で立てるということから、まずスタートします。

できるようになることを具体的に決めるというのもひとつの方法ですし、総合テストを受けて、その成績を目標にするというのもありでしょう。

ただ毎月、というスパンで考えるのは5年生になってからでよいと思うのです。

それまでの間はもう少し大きなスパンで考えていく。

例えば2か月、3か月ぐらいの中で何ができるようになっていくか、どこまで到達できるようにするか、で良いでしょう。

この問題集を3か月でやり遂げる、というのも良い目標の立て方です。

そして、それを3か月で達成するにはどうすればいいか、具体的に計画を立てる。

このとき、子どもたちと一緒に計画を立てることが大事です。親が全部決めて「ハイ、これやって」はあまり効果がない。

まずは目標を決めるところから、子どもたちとコミュニケーションをとり、それなりに子どもの考えも聞いた上で、これを達成していくようにしていくと、子どもたちの自主性が育ち、かつ達成感も味わえるので、それが自信につながっていきます。

計算は正解率勝負の練習をする

計算問題は毎日練習した方が良いが、これもたくさんやらせると、いい加減になるだけ。

大人だって分数小数の計算問題を20題出されれれば辟易する。

そうなるとミスも出るし、式も書かなくなったりするのです。

だから、毎日3題ずつやるのが良い。

で、ちゃんとそういう本があるのです。

これが5年生も、6年生もある。

その代わり3題やって絶対間違えないようにすることが大事。

見直しして、これは絶対できている、という自信を培ってください。

一緒に勉強すれば、わかっているかすぐわかる

お父さん、お母さんが子どもと一緒に勉強して、同じ問題を解いていれば、それは何ができて、何ができていないか、すぐわかります。

実際に返ってきたテストを確認してみれば、おのずと「ここができて、ここができていない」ということがわかってくる。

で、塾の場合はそこを手当てすることなく、先に進みます。それで大丈夫のか聞いてみると、

「カリキュラムはスパイラルなので、またやり直しますから大丈夫」

という答えが返ってくるわけですが、実は大丈夫ではない。スパイラルといっても同じことを繰り返すわけではなく、何等か進んでいくのです。

だから当然わからなくなる可能性が出てくる。

ここでしっかりフォローができるかどうかが、確実に進む一番の方法なのです。

先に進まなくてもかまいません。もともとやることが早すぎるきらいはあるので、むしろ確実にわかっていった方がよほど道筋は早い。

なので、「親が一緒に勉強するので良い」ということになるのです。

世界の多くの子どもたちはWEBで学んでいる

これから日本は人口が減るので、世界的に人材を求めていく流れになっていく、と少なくとも世界企業の経営者のみなさんはそう考えています。

そういう考えをしていかないと、やがて企業は滅んでしまう、と思っているからです。

では世界の子どもたちはどうやって勉強しているのでしょうか。

世界の子どもたちがみんな豊かで良い暮らしをしているわけではありません。しかし、そんな中でも多くの子どもたちがいろいろな勉強をしている。

しかしそれはWEBから学んでいることが多いのです。これが大きく変わったことのひとつ。

実際に今日本でもいろいろなことをWEBで学ぶことはできる。ちょっと調べ物をするのにあたって、WEBを開いた方が速いということはみなさんが経験していることでしょう。

世界の子どもたちは小さい時からそれしかないことが多いので、そこで勉強する。しかし、内容としてはなかなか進んだことを学べるところはあって、それがやがて子どもたちの力になり、新たなキャリアを生んでいるところもあるのです。

だからWEBで学ぶということは、これから普通のことです。

先生に習う、より「もっと自由」だし「もっと簡単」になっている。

そういう力を今の子どもたちはもっと身に付けていかないといけないのではないかと思います。

実際に自分で興味を持ったことを調べた結果として、自分で勉強してしまう子どもたちがこれから増えていくことになるのでしょう。

その点は、きわめて平等になっているとも言えますが…。

こんなのカンタンだよ

といって自分で勝手に勉強を進めて、1週間分の内容を終わらせると、好きなゲームや読書、あるいは遊びに時間を費やす、そんな子が私が描くイメージです。

今は正規、非正規の差ができているから、お父さん、お母さんは何とか良い会社の正社員になってほしいと思っているそうです。

だから大学も就職予備校みたいなところがある。

今の大学生はまじめに勉強して、優秀な成績をとることが大事になっているのでしょう。それはある意味何とかレールに乗りたい、ということなのでしょうが、ある有名な経営者の方が

もはや日本にレールはない

と言っておられました。日本は人口がどんどん減るし、高齢化も進む。日本人だけでやろうというのは競争力が低下するもとなので、いろいろな人材を企業は雇わないといけない。日本人ばかりを雇うようになるとは限りません。だから人間力を本当は鍛えないといけないところがある。そのために大事なのは遊びです。

いろんな遊びをした上で、自分は何が面白いか、何に興味があるのか、だんだんわかってくることが必要ですが、今の小学生にその時間が無くなりつつあるのは非常に良くない。

それはなぜそうかというと、塾に競争させられているからです。

小学校3年生や4年生ぐらいから、塾のテストで順位付けされている。お父さんもお母さんももっと良い順位にならないとレールに乗れない、という危機感があるから、必死になっているのですが、すでにレールがないとすると、実は大事な時間を浪費させられている可能性があるのです。

勉強することは大事です。それは入学試験がある以上そうなのだけれど、そこはうまくやらないといけない。

競争させられることなく、自分の好きなことを没頭するために、「さっさとやるべきことを終わらせる」のであれば、それが一番効率的な時間の使い方ということになるのではないでしょうか。

最後の2年間で、ちゃんとできるようになっていればいいわけで、それまでの時間を大事にする、ということはこれからの人材を育てるのに必要なことだと思います。

6年の秋に模擬試験が受けられれば良い

各塾進み方はいろいろです。

元より子どもたちのスタートもいろいろあって、例えば2年生の3月からスタートするという塾も出てきましたが、しかし、本当にそれが必要かいえばそうではないというのはずっとお話をしていることなので…。

で、その後も進み方はいろいろあるわけですが、しかし、中身はそう変わりはしないのです。

例えば理科についていえば、どうしても比と割合が理科計算には必要なので、生物・地学→化学・物理という流れになりやすい。ということは低学年のうちは生物と地学ばかりを習うことが多いのです。

社会も地理→歴史→公民(現代社会)という流れは変わらない。低学年のうちは地理ばかりをやることになる。地理の勉強は面白いですが、しかし、忘れてしまうことももちろんあって、もう一度受験前に覚えないさないといけないところはあるわけです。

だから、最終的なゴールは入試としても、どこまでに全体のカリキュラムを終えるか、ということになるので、一応6年生の1学期終了時というのが目安になります。

それで6年の夏休みに復習しながら、秋に模擬試験が受けられる体制になれば、大きな問題はないのです。

入試に出るところは、ペースが速くなったとしても、やはり5年生と6年生で習う塾がほとんどなので、そういう目安で受験準備をとらえておけば、あとはウチはどういう準備をするのか、という点を具体的に詰めていけばよいということになります。

塾は生徒囲い込みのために、早くからスタートさせたがりますが、そこは良く考えておくことが大事です。

自分で勉強を始める習慣をつける

低学年のうちに、自分で勉強を始める習慣をつけることは大事です。

ただ、最初からいろいろ重くしてしまうと、その重さで嫌になってしまうところはあるものです。

だから、あまり中身を問われないで済むうちに、自分でやる、成し遂げる、という実績を積む。

そうすると、だんだんそれが当たり前になってくるのです。

で、そこから中身を議論し始めると良い。

ただ、こうやりなさい、ではなくて、どう勉強するか、本人と話し合う。

例えば1冊の問題集をやり遂げよう、ということにしたら、これをどんな風に進めるか。

ただやればいい、ということではなく、答え合わせをどうするか、間違い直しをどうするか、そういうことを手順として決めていく。

決めたら、あとは自分がやっておけば、お父さん、お母さんは帰宅してから〇をつけてあげてもいいし、間違い直しを一緒にやってもいい。

そういう手順を決めて、自分で勉強する習慣をつけてしまうことが実は、受験勉強を成功させる近道です。

同じ問題を解いてみる

親が一緒に勉強する、というのは、別に何か授業をするというわけではありません。

何か課題を決めて、一緒に同じ問題を解けばよいのです。

お父さん、お母さんが間違うこともあるでしょう。

子どもは一緒に勉強してもらうことは、本当はうれしいはずです。

自我が芽生えてくると、そう簡単には行かなくなりますが、喜んでいる間は、それが貴重な時間だと考えた方が良い。

システムから同じ問題を解いて、答え合わせをして、できたら、「できた、えらいねえ」と褒めてあげる。

間違えたら、また直してみて、「ここが違うんじゃない?」と教えて上げられればそれでいいのです。

そういう時間を大切にすることが家庭教育の第一歩。別に特別なことをしなくても、子どもたちは次第に力をつけていきます。