粘り強く考える習慣

今年の合格者の中で、一番伸びた子について言えば、やはり学校別バインダーの取り組みがとにかく熱心でした。

やはり粘り強く考える習慣がついていくと、今年のように、一見複雑に見える、あるいは面倒に見える問題もしっかり考えられる。

これは自分のペースでできたことも、大事な要因でしょう。

何問やらなければいけない、ということはない。というのも、システムは途方もない数の問題が入っているので、こんなの終わるわけないのです。

だからエンドレスなので、ということは、ただ、目の前にある問題をできる限りがんばる、ということでしかない。

慌てず、じっくり解き明かす、ということを繰り返していくうちに、だんだん手法が身についてくる。

自分でできることをしっかりやれば、ちゃんと伸ばすことはできるのです。

中学受験はやらなければいけないものではない

中学受験が過熱してきているので、あちらこちらで、中学受験の話を聞くようになるかもしれません。

特に中学受験の場合は、全員がやるものではないので、親の間でいろいろ情報が行き交う。あの子は受験する、しない、どこの塾に行っている、クラスは〜、とか。

しかし、そういう話を聞かされても、別に受験しなければいけないことではないのです。

日本の多くの地域では、まだまだ高校受験がメインの地域が多い。地域のナンバーワンスクールは公立、というところは多いでしょう。

ただ首都圏や関西圏は、そういう話を聞かされる機会が多い分、何となくしなければいけないのではないか、と思われがちです。

だからしっかり選択しておく必要はあるかもしれない。

ウチはやらない。

そう決めておかないと、いろいろ悩むことが出てくるかもしれませんから、選択はしておきましょう。

学校の評判も変わる

以前、せっかく合格した学校の名前を言ったら、

「え、そんな学校に入るのにがんばったのか。」

と言われた子どもがいたそうです。まあ、私立もいろいろあって、過去、あまり評判が良くなかった、という学校はあるわけですが、今は、もう大分違ってきている。

逆に良いといわれている学校が落ちた、ということもあるので、まあ、この辺は言う方が気をつけていないといけないところはあるでしょう。

確かに古い世代が驚く状況ではあるかもしれません。

ただ、これもまた変わる。

なので、あまりそういう評判を気にすることなく、我が家が選んだ学校に自信を持ってください。

英語ができる子の中学受験

小学生で、英語ができるのは、帰国子女だけだ、というのはもう昔の話。

帰国子女ではないが、英検2級を持っている、という小学生は増えてきました。

で、そうなると、この英語を使って中学受験をさせたいと考えるのは、当然のこと。

また学校も大学受験で英語ができるのは有利だから、英語のできる子が欲しい。

近年帰国子女入試で、帰国子女でなくても英語で入試が受けられるようにした学校が出たり、元々英語入試を取り入れている学校もあります。

だから、塾もそれぞれいろいろな対応をしないといけなくなりつつある。

英語の授業はありません、というのが一般的な中学受験塾ですが、英語さえしっかりしていれば、算数と国語を何とかすることで中学受験に成功するノウハウもあるのです。

次のステージへ向けて

中学入試の結果は、人それぞれではあるものの、全員がこの4月に新たな学校に進みます。

義務教育は残り3年間、後はそれぞれの志望や考えによって、進むステージがいろいろあるでしょう。

実は大学に行くだけではなく、いろいろな選択をする子どもたちがたくさんいます。

それぞれが、この3年間の中で、また考え、成長し、たどり着いた結論ですが、家族もそれを応援することで、次のスタートを子どもたちは切れるのです。

その意味で受験以上にまた、次のステージが大事になってくる。

子どもたちも成長していきますから、自分でいろいろなことを考えるようになる。だから、それをじっくり聞いて、一緒に考える姿勢が保護者には求められます。

多少なりとも距離を置きつつ、しかし、子どもが何を考え、何を望んでいるのか、しっかりコミュニケーションを取ることが重要な時間になっていくでしょう。

でも、それが大きな楽しみなのです。

たくさんやるより、ていねいにやる

塾は非常に早いスピードで進むところが増えました。

また課題も多いし、宿題が終わらない、ということで2月にペースがつかめない子が少なくありません。

そういうスタイルが全てではないので、あまり苦しむようなら山の登り方を変えた方が良いでしょう。

基本的に勉強はたくさんやるより、ていねいにやる、が大事。

どうしても量をやらないと、と思いがちなのですが、しっかりわかっていなければ、量をやっても時間の無駄なのです。

ていねいに一つの問題に取り組んで、しっかりわかる、ということが大事。

それが積み重なって初めて学力になるので、量に目を奪われないようにしてください。

中学入学後は一歩下がる

これまで中学受験準備のために、いろいろ子どもたちにしてあげることが多かったと思いますが、中学入学後はやはり一歩下がることをおすすめします。

特に男の子のお母さんはそれが必要。

つい、私がいないと、と思いがちですが、それは子どもの成長にプラスにならない。

たとえ、弁当を忘れようと、プリントが鞄の中でぐちゃぐちゃになろうと、手を出してはいけません。

お母さんはお母さんの世界をしっかり構築して、子どもたちから一歩引く。

無関心になってもいいかもしれない。

そうすると、子どもたちの成長とバランスがとれます。

そうしないと、反抗期に火をつけてしまいがちです。

量より質

受験勉強は、それなりに量的に問題を解かないといけないところはあります。

ただ、量ばかりを追い求めていても、実際に子どもたちが考えていないと、まったく力はつきません。

例えば大量の宿題を出されても、適当に答えを書いて、まあ、ほとんど×でもやったことにはなるかもしれない。

しかし、当然ながら、子どもの力にはならないのです。

だから、その質は追い求めてかないといけない。

例えば1問の問題を30分考えると試験時間には到底間に合いません。

が、自宅学習でそれをやっても問題はないのです。むしろやるべき、とも言える。そこまでいろいろ考えれば、その過程で当然、考える力の訓練にはなるので、必ずプラスになります。

ただ、数をこなせば良い、というのではなく、子どもがじっくり考えて、思考力を養っているか、を吟味してください。

みんなと一緒だと楽な部分もあるが

みんなと同じことをさせて、ダメだったら、それは仕方がない、という考え方はあるかと思います。

しかし、みんなと同じだから、ダメだった、ということもある。

というのも、子どもにはいろいろな個性があり、本来で言えば、その子の個性に合う方法を考えてあげた方が良いのです。

今の塾のやり方は、小さい時から同じことをさせて、競争させ、そのふるいで勝ち残った子どもたちが上位校に行くようにできているわけですが、本当はそんなことをしなくても、志望校に合格できる。

力のある子というのは、それなりに力の出し方を知っているところがあるので、小さい時からの競争をしなくても、ちゃんとやるときはやる。

むしろ、その競争で疲弊し、力を出し切れない子どもたちが増えているように思います。

だから、親の発想を変えた方が良い。

ウチの子に合う山の登り方は何なのか、そこを考えずに「みんなといっしょ」は、あまり良い方法とは言えないでしょう。